2024.10.10
墓石は経年劣化の影響や、地震、台風などの自然災害により欠けたりズレたりすることがあります。
力任せにご自身で元に戻すと更にズレが激しくなったり、墓石の重さに耐えられなく身体を壊すことなどもあり大変危険です。
ここでは墓石のズレが発生する原因や、ズレを直す費用、その他にも墓石周辺で必要になってくるリフォームに関しても解説します。
墓石がズレる主な原因としては、次のようなことが挙げられます。
地震による振動や、地震が起因となり地盤が緩み基礎が傾くことで墓石がズレることがあります。
また、埋立地や湿地などでも地震が起因となり、地盤沈下が発生して墓石が傾きズレが発生します。
比較的新しく施工された墓地は、耐震対策が施されていますが、何十年も前から管理されている墓石はあまり耐震補強がされていないものもあります。
お墓は先祖より代々受け継ぐことが多いものなので、何十年と長期間使用していることが多い建築物です。
そのため、紫外線や酸性雨などにより徐々に風化がはじまり、石材にヒビが入ることもあります。
経年劣化により傷んだ墓石には、隙間に苔やカビが繁殖しやすくなります。
一度苔やカビが生えると、メンテナンスをしないと墓石全体に侵食して墓石の劣化を早める原因になります。
高温多湿の環境下にある墓石などは、特に注意する必要があります。
前述のような現象が起因として、お墓の間に水が入り寒い時期に凍結してしまった場合にも墓石はズレてしまいます。
墓石自体は重いので、簡単には動かすことができませんが、氷の上に乗った墓石は小さな力でも簡単に動いてしまいます。
墓石のズレには程度がありますが、軽い症状の場合など後回しにしてしまうケースもあります。
しかしながら墓石のズレを直さないと、以下のような問題が生じます。
墓石をズレたままにすることで、徐々に傾きが発生したり、墓石が欠ける原因にもなります。
また、一度ズレた墓石は動きやすい状態になっているので、小さな地震などでも倒壊する恐れがあります。
供養のために訪問してくれた方に、危害を加える恐れもあるので十分に注意が必要です。
お墓は本来ご先祖様を供養する場所なので、当然ながら掃除が行き届いていない状態や、整然とされていない状態は好ましくありません。
墓石自体がズレた状態では、訪問してくれた方に不快な思いをさせることもあるのでできれば整えたいものです。
墓石がズレてしまうと、そこに隙間が生まれて雨水などが入り込みやすくなります。
墓石がズレた状態で放置することで、カビや苔などの原因になり、墓石の風化を早めることにも繋がります。
安全面や見た目、墓石の長期管理面でもズレは早めの対処が望まれます。
墓石がズレた際の修理費用は、ズレた要因により費用が以下のように異なります。
墓石がズレる要因にもなる墓石の欠けや目地割れを修理する場合には、従来はモルタルを多様していましたが、経年劣化に弱く耐久性面であまり優れていませんでした。
近年ではこの点に考慮して、シリコン系のコーキング剤を用いてお直しをするケースが一般的です。
費用相場的には、3万円〜5万円程度で目地割れを直すことができます。
墓石がズレた際には、主に目地が損傷している場合が多くあります。
そのために、墓石のズレとともに前述の目地の損傷箇所を補修をします。
ズレを直す費用相場としては、3万円〜10万円程度で修理することができます。
また、墓石のズレの度合いが酷い場合には、墓石の積み直しなどが発生するので費用は30万円以上になるようです。
墓石が傾く要因としては、前述にて解説したように地盤沈下の発生や木の根が強く張り巡らされたことに伴い引き起こされます。
一度傾きが発生すると、墓石の土台を撤去して組み直す必要や、地盤の改良が必要になるので費用相場としては100万円〜200万円程度と高価なものになります。
墓石が倒れた際には、倒れた墓石を積み直す作業と合わせて墓石が倒れることで発生したひび割れや欠けの修理も必要になります。
墓石を積み直すには、重機などで運搬する必要があるので費用相場として30万円〜150万円程度発生します。
墓石のズレ以外にも、以下のような場合にリフォームが必要になります。
最もよくあるリフォームとしては、墓石の洗浄があります。
墓石の表面には、経年劣化に伴い汚れやシミが付着します。
汚れが付着したままにしておくと、色素が沈着して落としにくくなると共に、風化を加速させる原因にもなります。
また、石材は石の性質のなかに鉄分が含まれています。
メンテナンスを怠ると、石からサビが出てくる場合があるので見た目的によくないので、早期に洗浄などの対策が必要です。
定期的に洗浄をおこない、表面に防水コーティングなど施工することで汚れが付着しにくい環境を作ることができます。
花立などは古くなると水漏れが発生しやすく、苔が生える原因にもなります。
また、古いタイプの線香立ては使い勝手が悪く周辺が汚れやすいなどの問題もあります。
このような場合には、横に寝かせて線香を添えるタイプの香炉に変更するなどリフォームするとお掃除の手間が少なくなり使い勝手がよくなります。
お墓のメンテナンスで、最も手間が掛かるのが雑草対策です。
敷地の土台が土の場合には、一度雑草を抜いても定期的に生えてきます。
そのままにしておくと、景観を損なうだけではなく近隣のお墓にも迷惑を掛けてしまうこともあります。
このような場合には、草が生えにくい防草シートを被せる対策や、砕石や玉砂利を敷き詰めることで雑草を生えにくくする対策が有効です。
玉砂利は見栄えもよくなるので、利用されている方の多いリフォームです。
墓石の外柵は、経年劣化でどうしても少しずつ古びたイメージになります。
外柵が古く壊れかけていると、お墓全体のイメージが古びた感じの印象が強くなります。
墓石の大掛かりなテコ入れをしなくても、外柵だけでもリフォームすることで全体のイメージを明るくすることができ、整理整頓されたお墓のイメージにすることができます。
墓石のズレや補修などのリフォームは、重たい墓石が落ちてくると命に関わるのであまりお勧めできません。
ご先祖様を供養するお墓でご自身が怪我をすると本末転倒です。
しかしながら、ご自身でもリフォームができる箇所もあるので専門の業者に依頼するケースと、ご自身で対応するケースを使い分けるとよいでしょう。
ご自身で可能なリフォームの一例は、以下のようなものがあります。
墓石の掃除やクリーニングは、定期的に訪問して雑草を抜いたり墓石を洗ったりすることでご自身でおこなうことができます。
特に墓石には、塵やホコリの他にも鳥のフンなどが付着していることがあります。
定期的にメンテナンスしないと、墓石の細孔という石の小さな隙間に汚れが蓄積されてシミの原因になります。
月命日などのタイミングや、季節の移り変わるタイミングで掃除をするとキレイな状態を保ちやすくなります。
墓石を洗浄する際には、家庭用の洗剤を使用すると刺激が強すぎて墓石を痛める原因になることもあります。
洗剤を使用する際には、墓石専用の洗剤が販売しているので利用するようにしましょう。
石材と石材の間埋める防水対策として、セメントで目地をすることが従来よくありましたが、ツルツルの石材にセメントを付着させても取れやすいなどの問題がありました。
近年では、セメントを利用することは多くはなく、主にコーキングなどで目地貼りします。
コーキング自体は簡単で、ホームセンターなどでコーキングガンが販売されているので利用すると安心です。
事前にマスキングテープを貼って、必要な箇所のみコーキングを流し込むことで簡単に施工することができます。
お墓の文字彫刻をご自身で刻むことは難しいですが、一度刻まれた文字が経年劣化などにより色味が薄くなった際の補修はご自身でおこなうことができます。
墓石の文字は、主に白や黒の塗料で描かれているので同様の色をホームセンターで調達して塗り直すことができます。
一度で厚く塗ろうとせずに、何度か塗り重ねると綺麗に仕上がります。
墓石のずれを直す場合の方法や、補修に伴う費用、そして墓石の補修に関連するその他のリフォームについて解説しました。
墓石がズレる原因には、経年劣化や自然災害などさまざまな要因があります。
また、ズレの症状により補修する際の費用は大きく異なります。
ご自身の墓石がどの程度の症状なのか一度確認してみましょう。
一度墓石がズレてしまうと、墓石自体は非常に重たいのでご自身で対応することは困難です。
そのような際には、石材専門の業者に依頼すると安心して対応してもらえます。
墓石のズレ以外のリフォームには、前述のようにご自身で対応できるものもあります。
ご自身でできる箇所はご自身で対応して、専門の業者に委ねる箇所は相談すると怪我なく安心して対応することができます。