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日本の墓石に使用される石の種類と特徴 適切な選択のポイント

2024.02.29

お墓の購入は、一生に一度のお買い物といわれるほど頻繁に購入するものではありません。

実際に購入する際に、何を基準に選んだらよいのか分かりにくいものです。
ここではお墓を購入する際に迷うことがないように、暮石に使用される石の種類やその特徴、そして適切な選択方法を解説します。

暮石に使用される石材の主な採掘国は?

日本をはじめとして、暮石に使用される石材は世界各地で採掘されています。
日本に輸入される物量が多い暮石は、中国産・インド産・北欧産などのようなものが多く使われます。

その中でも日本に輸入される暮石の多くは中国産となり、安価なものが多いために需要が拡大しています。
国内で製造された暮石は海外製よりも質が高い傾向にありますが、海外の暮石であるから質が悪いということは一概にいえません。
実際のところ、国内暮石と海外暮石にどのような違いがあるのか以下にて解説します。

国内産の墓石簿特徴とその種類

国内産の暮石の特徴と、その種類は以下のようです。

国内産の暮石の特徴

日本国内で採れる石は、日本の環境下に適応しやすい材質なので優れた耐久性が期待できます。
そして島国である日本では北から南まで様々な材質の石を採掘することができます。

幅広い種類があるとともに、日本の高い技術力により品質の高い製品が安定して供給されていることも魅力です。
しかしながら近年では安価な海外製品の需要が増えたため、採石量が減少して価格が上昇傾向にあるのがデメリットのひとつです。

国内産の暮石の種類

国内産の暮石の種類は産地により数十種類以上あり、その土地により材質や耐久性が異なります。
主に人気がある墓石は次の3つの種類になります。

①庵治石(あじいし)
庵治石は国内の暮石では最上位といわれるほどの石で、香川県の庵治地方で採掘されます。
暮石のダイヤモンドという名称や西の横綱石などの名で呼ばれることがあります。
庵治石の中でも最上とされる「斑(ふ)」と呼ばれるキメの細かいマダラ模様の入った細目石と、目の粗い中目石に分類され、密度が高く硬度は水晶に匹敵するといわれています。

②本小松石(ほんこまついし)
本小松石は神奈川県真鶴町で採掘され、「日本の銘石」として愛されてきた石です。
庵治石が西の横綱といわれることに対して、本小松石は「東の横綱」と呼ばれ、庵治石に次いで人気があります。
耐久・耐火製に優れており、石に粘り気が多く欠けにくい特性があります。

③真壁小目石(まかべこめいし)
茨城県で多く採れるため、関東地方で多くの人に使用されている石材です。
国産ではリーズナブルな価格帯で、クセのない石目を磨くと非常に綺麗な光沢が出て人気な青御影石です。

海外産の暮石の特徴とその種類

日本の墓石が高い理由としては、採掘量の減少などによります。
近年では前述のような諸外国での採掘が盛んにおこなわれており、その採掘量から比較的安価で日本国内に流通しています。
海外産では、採掘国により石にさまざまな特徴があります。

中国産の石材

現在日本国内での海外暮石の流通数量が一番多いのは中国産です。
理由としては最も安価で、品質面も昔と異なり急速にレベルが上がったことによります。
福建省で採掘される石が多く、その見た目は日本国内品とよく似ているので注意が必要になります。
「AG98」と呼ばれる石は、大島石に似ているなどで日本でも人気がある品目です。
中国産の石材は、値段に比例して品質がよくなるので非常にわかりやすいです。

インド産の石材

インド産の石材は、中国産に次いで国内で流通の多い暮石です。
材質的な特徴としては、石材として硬度が非常に高く、丈夫で色艶も良いことから人気があるようです。
中でも「クンナム」と呼ばれる黒御影石はインド内でも最高級とされており、硬度や吸水率の低さともに日本国内品と比べても申し分なく、光沢のある黒系暮石の中では最高峰とまでいわれます。

北欧産の石材

ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどの北欧諸国も暮石の産地として有名です。
北欧の暮石の特徴は、石独特の色味を見せることにあります。
「ファイングレー」と呼ばれるスウェーデンの黒御影石は吸水性・硬度などと共に、世界一の暮石といわれます。
ノルウェーの「ブルーパール」は石目に貝殻の化石が入った石材で、磨き上げると真珠のような美しい輝きを放つので存在感の高い暮石になります。
北欧産の石材は、重厚感よりも美しさを暮石に求める方に人気があります。

適切な暮石の選び方

暮石に使用される石材には、国産のものと海外産のものがあることを解説しました。
国産を選ぶと品質的に安心ということには変わりませんが、一概に海外産であるから品質が悪いというわけでもありません。
ここからはご自身にあった適切な暮石を選ぶための基準を詳しく掘り下げて解説します。

暮石の石材を選ぶにはスペックを読み取る必要がある

暮石の石材を選ぶ際に、必ず表示されるデータとして「産出国・地域」「吸水率」「圧縮強度」「見かけ比重」の4つのデータがあります。
墓地の管理者より暮石に関する指定等がない場合は、前述の数値を確認してご自身の予算に照らし合わせて適切な石材を選びます。
各項目別に詳細を解説していきます。

産出国・地域

産出国・地域はその名の通り、どこで採掘された石なのかを確認します。
日本国内のどこの地域なのか、また海外製ならばどの国のどの地域なのかはここで確認することができます。
故人のイメージに合う石材を選ぶのか、価格帯である程度選定するのか、故人の故郷で採掘された石材を選ぶのかなど自由に選ぶことができます。

吸水率

どのような石材も細かな無数の孔が表面に開いています。
この孔に水が吸収される割合を吸水率といいますが、吸水率がより低いほうが苔やカビなどが生える可能性が少なくなることを意味します。
また吸収された水分は冬に凍結することがあるので、吸水率が高いと内部から圧迫してひび割れなど起こす原因にもなります。
一般的に吸水率は0.2%〜0.5%未満であるとよいとされています。

圧縮強度

圧縮強度とは、石材に一定の力を加えた際に耐えることができる強度をN/㎟の単位で表します。
数値が高い方がより衝撃などによる強度が高いことを示すので、長期間丈夫でお墓が長持ちすることになります。
国内最高級の庵治石の圧縮強度は115.00〜118.00N/㎟となり、コスト的にもリーズナブルな真壁小目石は120.00〜125.00N/㎟程度になるので、その範囲内を1つの基準にすると良いかもしれません。

見かけ比重(密度)

見かけ比重とは石材1㎡あたりの重さを指し、t/㎡の単位で表します。
比重は「4℃の水」の重さが基準になっているので、暮石の見かけ比重の基準は2.60~2.70t/㎡が標準値なので水の2.6倍〜2.7倍の重さがあることになります。
見かけ比重が高いほど石としての密度が高いことになるので、石に含まれる鉱物も多く強度が高いことを意味します。
標準値の2.60~2.70t/㎡を下回る石材は、基準値を満たしていないのでどこで採掘された石材なのかよく確認した方がよいでしょう。

見た目やイメージで暮石を選ぶことも重要

暮石にどの石材を選定するのかには正解はありません。
次のような項目で選定するのも間違いではありません。

暮石にはランクがある

暮石には同じ石でもランク分けがあります。
業界での正式な基準などはありませんが、各採石業者が独自に区分けをおこない分類しています。
松竹梅のように石全体のランクというわけではなく、様々な石ごとにランクが分類されています。
ランク分類の一例は次のようになります。

石の名称ランク分け
庵治石細目、中細目、中目、荒目の4種類に大分類され、
更に細目では極上、特級、上級の3種類、
中目では特級、上級の2種にランク分けされます
大島石特級、一級、2割、カレイ、二級の5種類に分けられます。
ランクが上がるとともに、石の模様が細かくなります。
天山石紺碧、銀剛、万葉の3種類にランクが分けられます。
色の濃さと模様の美しさが基準になります。

*採石業者によっては上記と異なる呼び方の場合もあります。

キメの細かさ

暮石を見た目で決める際には、キメの細かさを重視する方が多くいます。
暮石のキメの細かさには、細かい順に「糠目、細目、小目、中目、粗目」などの種類があります。
一般的にはキメが細かい方が綺麗に見えるので、同じ石種でも人気が高く価格も高価な傾向にあります。
見た目に関しては、あくまでの各個人の好みによるので値段が高ければよいという基準で選ぶのはよくありません。
最終的には、ご自身が美しいと感じた石材を選ぶとよいでしょう。

暮石の色

お墓の色は一般的に灰色のものが多い傾向にありますが、近年では黒なども定番になってきております。
定番色以外にも緑や青、茶色などのカラフルな色の暮石も登場しています。
暮石に関しても、和型暮石だけではなく洋型やオリジナル性豊かな形状のお墓が増えている影響で、色も自由に好みのタイプを選ぶようになってきました。

まとめ

日本の墓石に使用される石の種類と特徴、石を選択する際の適切な方法などをご紹介しました。
日本の墓石に使用される石材は国内産と海外産がありますが、品質を求められるなら国内産をご購入すると安心かもしれません。
しかしながら海外産であるから一概に品質が悪いということではありませんので、どの国で採掘された製品かをよく把握して、前述で確認したスペックにて適正と判断した製品を購入すると後悔することがないでしょう。
暮石は一生に一度の大きな買い物になるので、長い期間雨風に晒されても耐えることのできる品質のよい暮石選びが重要です。
今回解説したポイントをご理解した上で、故人にあった暮石にであえるとよいですね。

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